新型コロナウイルスによるデイサービス休業

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日本においても、新型コロナウイルス感染症の患者数が増えてきています。

令和2年3月には、名古屋市において新型コロナウイルスによる集団感染が発生し、名古屋市緑区・南区にあるデイサービス全126か所が自治体から2週間の休業要請を受けるということがありました。

このページでは、デイサービス休業時の対応(厚生労働省の方針)、名古屋で発生した新型コロナウイルス感染症によるデイサービスの休業の実際、さらに、今後、他の地域でデイサービス休業が要請された場合に向けて、家族がどのような準備が必要なのかを解説していきたいと思います。

この記事の目次

デイサービス休業時の対応(厚生労働省の方針)

令和2年2月24日、厚生労働省から都道府県の介護保険担当部局に、デイサービスが休業要請を受けた場合の代替サービス提供についての事務連絡がありました。

厚生労働省は、デイサービスが休業していても、利用者の意向を確認した上で、代替サービスの提供を許可しています。

その具体的な休業時の代替サービスの内容は、以下の通りです。

  1. 休業となった事業所と異なる事業所、公民館等の場所を使用して、サービスを提供する
  2. 居宅で生活している利用者に対して、利用者からの連絡を受ける体制を整えた上で、デイサービスの職員が居宅を訪問し、個別サービス計画の内容を踏まえ、できる限りのサービスを提供する

①に関しては、デイサービスを隣接する地域で複数展開している事業所であれば、ある地域のデイサービスが休業となった場合でも、事業所内の他のデイサービスで同様のサービスが受けやすいかもしれません

②に関しては、デイサービスの職員が利用者の自宅に伺って、デイサービスで提供している入浴介助・食事提供・運動指導などのサービスを提供することを想定しているようです。でも、実際はデイサービスのマンパワー不足(全ての利用者を訪問するだけのスタッフがいない)、求められるスタッフのスキルが在宅とデイでは違うなどの理由から、全ての利用者にサービスを提供することは現実的には難しいように思います。

デイサービス休業の現状(名古屋市)

令和2年3月6日、名古屋市は、高齢者に新型コロナウイルス感染症が発生していることを受け、今後の感染症の発生の予防及びそのまん延を防止するため、名古屋市南区と緑区のデイサービスに対し、令和 2 年 3 月 7 日(土)から 3 月 20 日(金)まで 休業を要請しました。

3月6日(金)に発表があり、要請された休業期間が3月7日(土)からであったため、現場はかなり混乱していたようです。

デイサービス休業期間が終了し、名古屋市緑区と南区の各事業所がどのように対応していたかをまとめます。

  1. 完全に休業していた
  2. 規模を縮小して、自宅で入浴や食事が困難な利用者を受け入れていた
  3. 休業して同じ会社の近隣のデイサービスでサービスを提供していた
  4. 休業して、入浴や食事の介助が必要な利用者宅へデイサービス職員が訪問してサービスを提供していた

概ね、①~②の対応を行っている事業所が多いようです。

③は、大手の事業所でないと対応が難しかったようです。

④は、デイサービスのスタッフが自宅に訪問してのサービスを提供は、普段介護しているデイサービスの現場でサービスを提供するのと違って、求められるスキルが違うので、対応できる事業所は少なかったようです。

デイサービス休業となった場合に向けての家族の準備

  1. 住んでいる地域の新型コロナウイルスの感染状況をチェックしておく
  2. テレワークなどを活用して在宅勤務が可能か確認しておく
  3. 介護休暇・介護休業が取得可能か会社に確認しておく
  4. デイサービスが休業となった場合、自宅で過ごせるかを検討しておく

①に関しては、住んでいる地域の医療・介護、高齢者などに感染者が増えてくると、自治体からデイサービスの休業要請が出される可能性が高くなると思います。よって、住んでいる・サービスを受けている地域の感染状況をチェックしていきましょう。新型コロナウイルスの国内発生状況はこちら(厚生労働省ホームページ)

②・③に関しては、実際に在宅介護の要であるデイサービスが休業となると、かなりの混乱が予想され、事業所やケアマネジャーも利用者の対応に追われて、柔軟な対応が難しくなるのではないかと考えます。正直、休業となると全ての利用者が休業前と変わらないサービスを受けることは難しく、ご家族が対応しなければいけない場面も増えてくると思います。
ご家族が働いている場合、在宅勤務(テレワークなど)が可能か、介護休暇・介護休業が取得することが可能かを会社に確認し、いざという時に介護できる体制を確保することも大切だと思います。

④に関しては、デイサービスに自治体から休業要請がある場合、時間的な猶予が少ないことが予想されます、したがって、前もって、『自宅でご本人だけで過ごすことができるか』、『見守る・介助する家族は必要なのか』、『自宅のお風呂に入ることができるのか』などと具体的に、少しでも検討しておくことが望ましいと考えます。

おわりに

    新型コロナウイルス感染症の患者数は日々増え続けて、日本全国・世界各地に拡大し、予断を許さない状況になりつつあります。

    そんな状況の中で、今回の名古屋市の在宅介護の要であるデイサービスへの休業要請は、衝撃的なニュースでした。

    今回の休業要請による提供サービス縮小により、名古屋市の南区・緑区でデイサービスを利用している方、そのご家族、事業所の皆様、ケアマネジャー様は大変な思いをされたのではないかと思います。

    新型コロナウイルス感染症は、全国に拡大しつつあり、全国どの地域においても、介護サービスが利用できない状況が発生しても不思議ではありません。

    大切な家族を守っていくために、事前の準備・想定が必要だと思います。

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